電気温水器の電気代を実際に計算してみた!やっぱり深夜電力契約がイイ!
ガスが完全に普及していないエリアでは、電気は非常に重要なエネルギーとなります。毎日の給湯においても電気温水器が注目されるようになり、特にオール電化を導入しているご家庭では電気温水器は外せないアイテムと言えるでしょう。
今回はこの電気温水器における電気代の計算方法をご紹介すると共に、電気代を節約する工夫などもチェックしていきます。
電気温水器の電気代を計算してみよう!!
電気温水器の継続的使用について、意外に電気代がかさむという認識を持つ方も少なくなく、気が付くと予想以上に高かったという月も実際は多いのではないでしょうか?
しかし、電気代が高くなるのは電気温水器のタイプや使い方にもよるようで、ここではタイプ別に電気代を計算シミュレーションをしていきます。
自動給湯タイプの電気代計算
自動給湯タイプにおいて水温17℃を85℃まで加熱して、使用するお湯の温度を水を加えて40℃に調整して450L分を作り出す場合の計算を行ってみます。
基本的に450Lを40℃に保つためには1日に約12.03kWhのエネルギーが必要となります。
さらに、自動給湯は水温を40℃に維持しますので、1日の温度低下を10℃くらいとすると85℃に再度加熱した場合は5.23kWhのエネルギーが追加されるでしょう。
これにより、自動給湯タイプの1日の加熱エネルギー総量は17.26kWhとなり、夜の電力単価が12円/kWhとすると1日に207円の電気料金が電気温水器に取られる計算になります。
通常給湯タイプの電気代計算
一方の通常給湯タイプになりますと、自動的に湯温を維持することはありませんので、水温17℃を85℃まで加熱して、使用するお湯の温度に加水し40℃に調整後に450L分を作る場合は12.03kWhのみのエネルギーで済みます。
このケースですと、温水器内の湯温は70℃くらいに低下することが避けられませんが、それと同時に温度調整に使う水量が減るだけなので電力単価12円/kWhで1日の電気代は144円程度になり水道代も同時に節減できるのです。
自動給湯の電気温水器は電気代も高くなる!
上述の電気温水器の電気代の計算を見ても分かるように、自動給湯タイプはトータルで電気代におけるランニングコストが非常に高くなります。
そのため、今まで一般給湯だったご家庭にて、その利便性の良さから自動給湯に切り替えたところ、月の電気代が一気に跳ね上がったケースは少なくありません。特に冬場はこの傾向にあるでしょう。
追い焚き機能は便利な一方で無駄に電力消費
自動給湯タイプには追い焚き機能がついているため、仮にお湯を使わなくても電気代は知らず知らずのうちに上がっていく傾向が強くなるでしょう。
つまり、電気温水器のお湯も自然放熱しますので、上述の計算パターンになると1日に5.23kWh電力消費していきます。この場合ですと電力単価が12円/kWhで1日に約63円の電気代が掛かり、1か月に1,900円近くは支払わなければなりません。
そのため、自動給湯タイプは電気代の節約が非常に難しい電気温水器と言えるのです。
ここで「深夜電力」の出番です。
深夜電力という言葉は「契約プランの名称」と「夜間使える電力」を表す意味で使われていますよね。昼間の電気代が高くなる時間帯別プランと間違えやすいですが、ここでは電気料金契約プランとしての深夜料金について説明します。
深夜電力って契約プランなの?
深夜電力とは電力会社が設定する電気料金の契約プランの一つです。特定の時間帯に電気を安く利用できるというもので、主に電気温水器を利用している家庭が利用します。
通常の家庭用電力プランである「従量電灯契約B(A)」と合わせて契約することができ、深夜電力プランだけで契約できるプランではありません。 ※東北・関西電力には深夜電力という契約プランが存在せず、時間帯別電灯メニューを豊富に用意しています。
昼間が割高で夜間が割安の料金プランとは異なる点に注意!
深夜電力と聞くと、時間帯によって電気使用料金単価が上がったり下がったりするイメージを抱きます。ただしこちらは時間帯別プランという名称で、深夜電力プランとは全く異なる電力契約プランのことです。深夜電力は電気温水器や蓄熱式機器のみに利用する人に限り格安の単価で夜間電力を使うことができる料金プランのことを指します。
深夜電力の対象は蓄熱式給湯器や電気温水器、エコキュートを使用する人
深夜電力はこれまでの従量電灯契約とは別に、夜間の蓄熱給湯機器や電気温水器に用途を絞って格安の回線を契約するものです。つまり、ひと月に従量電灯契約+深夜電力契約の計2回線の契約と支払いをするというわけですね。
深夜電力にも違いがある!どれを契約するかは電気温水器や蓄熱機器の種類で決まる
深夜電力は基本的に、午後11時から午前7時までの時間帯に格安で電気を使える契約です。8時間通電タイプの電気温水器や蓄熱給湯機器で、夜の間に沸かしたお湯を貯めておくという使い方に最適なプランと言えますね。
短時間の深夜電力!第2深夜電力とは
5時間通電タイプの電気温水器を利用している家庭が契約できるプランで、午前1時から午前6時までの間に電気を割引価格で利用することができます。 ※北海道・東北・東京電力では新規加入の申込受付を終了していますが、それ以前に契約した方は継続して利用できます。
深夜電力で電気温水器の電気代を上手に節約する使い方!
一見すると回線が増えただけの深夜電力ですが、上手に利用すれば電気代を抑えて節約につなげることができます。エコキュートや電気温水器で夜の間にお湯を溜めて、日中に利用する。これが深夜電力の基本であり、賢い使い方として多くの人に定着しつつあるのです。
さらに通電制御型(マイコン型)電気温水器を利用している家庭は必見!
深夜電力を契約し、通電制御型電気温水器(蓄熱器)を利用している方は、割引制度の有無をチェックしてください!マイコン型だと電力会社に申請すると、電気代の基本料金と電力量料金の合計から13%が割引されます。(東京電力の場合) 通電制御型電気温水器は、電力の使用量が少ない深夜時間の中でも最も電力需要が少ないタイミングでお湯を沸かすといった機能があるため、深夜の電気を余らせたくない電力会社から歓迎される存在なのです。
マイコン型電気温水器割引が適用される電力会社
・東京電力
・北陸電力
・関西電力(時間帯別電灯)
・中国電力
・四国電力
・沖縄電力
(北海道電力・中部電力は マイコン型蓄熱機器割引への 新規加入受付を終了しています。)
家電全般を夜間電力で使いたい人はオール電化向けプランがお得かも?
深夜電力は使える電気の量や用途が限定されており、蓄熱器以外の家電では使えません。これを不便に感じる方や、昼間に電力をほとんど使わない方は、時間帯別電灯プランに変更すると深夜電力よりもトータルで電気代が安くなる可能性があります。
電気温水器で電気代を安くするためのポイント
深夜電力に切り替えても、まだまだ気になるのが電気温水器の電気代です。やはり「賢い使い方」で安く電気代を抑えるかは非常に重要です。
ここでは、電気温水器を導入する際に、電気代を安くするために工夫すべきポイントをチェックしていきましょう。
電力会社以外の新電力企業から電気供給
まず、電力プランを深夜電力プランに切り替える事も重要ですが、そもそも電力会社を切り替えるという選択肢もあります。
新電力はガス会社などが参入しているので、現在のガス料金は据え置いて電気代だけを安く提供してくれるプランもあります。
これは、新電力が電力を従来の電力会社よりも安く発電していることによって可能となり、消費者は以前よりも電気代を節減できる選択肢が増えているでしょう。
自動給湯でもセミタイプやエコタイプを活用
また、自動給湯でも追い焚き機能が付いていないセミオートもしくはエコオートと呼ばれる電気温水器タイプもあり、これらを導入すれば保温に必要な無駄な電気代を支払わずに済みます。
特に温暖なエリアになりますと、湯温が低下しにくいこともあってフル機能の自動給湯タイプを導入することは不必要な電気代を生んでしまう原因になっています。
長期使用では電気温水器の電気代が割高に?
どんなに節電できる電気温水器を導入していても、まだまだ電気代の高さにあえいでいる方もいるはずです。
ガス温水器と比べますと、電気温水器の長期使用ではやはり電気代が割高になるのは仕方がない部分でもあります。ここでは導入後に各家庭で行える電気温水器に絡む節電術を見ていきましょう。
家族の人数が少なければ温水器の電源をマメに切る
仮に家族の構成員が少なくてお湯を使う機会が少ないのであれば、使わないときは電気温水器の電源をオフにしておくことがオススメです。
特にフルの自動給湯タイプは追い焚きがありますし、多少の低温化が気にならないのであればぜひこれは進めてください。夏場などの気温が高い季節では特に有効な方法となります。
大家族の場合はエコキュートに切り替えが無難
また、電気温水器でも大家族での使用が避けられない場合は、外気取り込みで加熱ができるエコキュート電気温水器を利用しましょう。
これは、いわゆる電力と外気熱のハイブリッドでお湯を作るタイプで、特に夏場は消費電力が電源を切らずとも半分くらいに節減することも可能です。新規導入の場合は人数をよく考慮して導入を検討してください。