プロパンガスの保証金や返金の仕組みはどうなってるの?
プロパンガスの保証金の仕組みは?
プロパンガスの保証金というのは、毎月しっかりとガス代を支払っていれば、最終的に全額返金されるお金のことを言います。
保証金を預けることに疑問を感じている方も多いかと思いますが、これはプロパンガス会社のリスク管理の一つなのです。
退去時のガス代未納分を徴収
プロパンガス会社もビジネスとして消費者にガスを供給していますから、使用量を支払ってもらわなければビジネスとして成立しません。
しかし中には、ガス代を未納のまま退去してしまう方も多くいるようで、既に引越しをされてしまったらガス代を支払ってもらうことが出来なくなります。
そこで最初にお預かりした保証金を使用して、未納分を相殺するのです。
法律で決まっている仕組みではない
引越しをする度にプロパンガス会社から保証金を預けるように言われることから、「保証金制度って法律で決まっているの?」と思ってしまうかもしれませんが、特に法律で決められていることではありません。
各プロパンガス会社が独自で保証金を預かるというルールを決めているのです。
ですので、保証金の金額についても各社に違いがあります。
保証金の金額
一般的に一世帯10,000円に設定されているケースが多いですが、中には通常使用の2~3ヶ月分に相当する金額に設定しているプロパンガス会社もあります。
とは言いましても、一人暮らしの場合、1ヶ月のプロパンガス料金は4,000~5,000円程度ですので、やはり10,000円前後ということになります。
保証金の金額についても、法律では決められていませんので、各プロパンガス会社が自由に設定しています。
保証金が必要無いケース
実はプロパンガスの保証金を預けること無く、通常通りガスの利用が出来るケースもあります。
「私は支払っているのに不公平だ!」と不満に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、これにはプロパンガス業界である程度共通している理由があります。
その原因は、私達消費者にあります。
賃貸物件の気軽さが生んだ保証金
スバリ言ってしまいますが、持ち家の場合は保証金が必要無いケースが多く、賃貸物件にはほぼ確実に保証金の請求がされます。
薄々お気付きの方も多いかと思いますが、賃貸物件というのは持ち家と比べて気軽に引越しをすることが出来ます。
つまり、プロパンガス会社も賃貸物件に住んでいる方には注意を払っており、保証金を求められるのです。
それに対し、持ち家の場合にはそう簡単に引越しをすることは出来ません。このことから持ち家の方には殆どのケースで保証金は求めないのです。
まさに私達消費者の甘い考え(未払いで逃げられる)が原因で生まれた保証金制度と言っても過言ではありません。
一戸建て賃貸なら不要の場合も
同じ賃貸物件でも、一戸建てのタイプですと保証金が不要となるケースがあるようです。
これに関しては確実ではありませんが、一戸建てですと長年に渡って住み続けるご家族が多いことから持ち家と同じような対応をするケースがございます。
賃貸物件でも保証金を不要にする方法
全てのプロパンガス会社に当てはまるワケではありませんが、アパートやマンションなどの賃貸物件でも保証金を不要にする方法があります。
かなり条件は厳しくなりますが、「保証人を付けること」「住民票・印鑑証明書の提出」「職場への在籍確認」などです。
こう並べてみますとクレジットカードを作る時やキャッシングをする際に似ていますが、まさにその通りです。
プロパンガス会社も、そこまで条件を厳しくしなくては、万が一の時に回収が出来なくなってしまいます。
稀に数ヶ月分を未納のまま引っ越されてしまうこともあるようですので、この厳しい条件は必然なのかもしれません。
また、クレジットカードに対応しているプロパンガス会社で、クレジットカード支払いを選択することで保証金がいらなくなることもあります。
保証金の預け入れと返金について
では次に、プロパンガスの保証金はいつ預けて、いつ返金されるのかをご説明していきます。
お金の問題ですので気になる方も多いのではないでしょうか?
たとえ返ってくるお金であっても、決して少額ではありませんので、その時になって慌ててしまわないためにも覚えておきましょう。
保証金を預けるタイミング
保証金を預けるタイミングは、ガス栓を開ける当日となります。
プロパンガスも都市ガスと同じで、ガスの供給を開始するためには、必ず立ち会いが必要となり、作業員と一緒に正常にガス機能が使えるかを確認します。
この時に、担当者へ保証金を手渡しするのが一般的です。
事前の申し込み段階で保証金がいくら必要になり、またいつまでに用意したら良いのかを教えてくれますのでご安心ください。
また保証金を預けたら担当者から預り証を受け取ります。
預り証を発行していないプロパンガス会社は無いかと思いますが、万が一用意していなかった場合には保証金を支払うのは待った方が無難です。
きちんと「預り証を発行してください」と伝えましょう。
返金のタイミング
保証金を返金してもらえるのは、そのプロパンガス会社のガスを利用しなくなった時です。つまり部屋の退去時に返金されます。
プロパンガスを停止する場合にも開始時と同様に担当者が自宅まで訪問します。
この際に、ガス代の未納分が無ければ、預り証と引き換えに全額返金されます。
ただしこの段階ではまだ最後のガス代の支払いが終わっていないと思います。
その場合には、その場で現金精算をするのですが、保証金から差し引いてもらうことが出来ることもあります。
賃貸物件の契約時に敷金を預け、それが何だかんだ理由を付けて返金されないというケースがよくありますが、プロパンガスに関してはきちんと全額返金されますのでご安心ください。
プロパンガスの保証金に関するトラブル事例
プロパンガスの保証金に関しては、これまでにいくつかのトラブル事例が報告されていますのでここで少しご紹介します。
貴方がトラブルに巻き込まれないためにも、是非参考にしてみてください。
基本的には防げるハズですし、そもそもまともに営業しているプロパンガス会社でしたら、このようなトラブルが生じることもありません。
保証金の預け入れの水掛け論
プロパンガス利用開始時に確かに10,000円を預けたのに、退去することになって預り金の返金を求めたのに「預かっていない」と言われるパターンです。
どうやら預り証を受け取っていなかったらしく、プロパンガス会社も預けた履歴が残っていないというお互いに水掛け論状態のトラブルです。
こうならないためにも、保証金を預けたら確実に預り証を受け取りましょう。
ガスボンベの不具合による保証金での相殺
普通にプロパンガスを使用していたのにも関わらず、ガスボンベに不具合が生じ、その修理費として保証金から差し引かれたトラブルがあったそうです。
契約書に保証金についてどのように書かれていたかはわかりませんが、基本的に保証金は料金未納があった時のために預けるお金です。
しかも故意による不具合では無いのですから、保証金から相殺されるなんてことはありません。
契約書の再確認をしてください。
預り証を紛失して返金されない
保証金を預けた際の証拠として預り証を受け取るのですが、これを紛失したことで退去時に返金されないというトラブルです。
結局その方は諦めたそうですが、良心的なプロパンガス会社でしたら、保証金がいつ預けられたかは、しっかりとデータとして残っているハズで、預り証が無くても返金してくれる可能性は十分にあります。
ただし法律的観点からしますと、預り証を紛失した方がどうしても不利になります。
預り証は大切な書類ですので、紛失することなく大切に保管しておきましょう。
今回はプロパンガスの保証金の仕組みや返金について、また保証金を巡るトラブルなどを色々とまとめてみました。
プロパンガス会社にとって保証金は少しでもリスクを無くすための手段です。
私達消費者はそれを理解し、またトラブルにならないよう、きちんと契約書を読み、預り証を必ず受け取るようにしてください。