LPGボンベの容量や種類、設置基準、大きさ、圧力をわかりやすく解説!!
LPGボンベの種類
LPG(プロパンガス)ボンベは、一般家庭用や工業用などサイズにより用途が分かれています。
一般家庭用も工業用も総称して高圧ガスとも呼んでいます。容器は持ち運びしやすいデザインになっており、安全に運べるように容器に滑り止め塗装(ウレタン樹脂系塗料)などが使われています。
ここでは一例として用途別にまとめていますが、直径、高さ、総重量などは販売会社により若干違いがあります。
一般家庭用
内容積(L) | ガス量(kg) | 直径(mm) | 高さ(mm) | 総重量(kg) |
---|---|---|---|---|
4.8 | 2 | 210 | 301 | 4.4 |
12 | 5 | 254.6 | 429 | 7.3 |
19 | 8 | 274.6 | 528 | 10.2 |
24 | 10 | 309.2 | 540 | 12.1 |
47 | 20 | 319.2 | 827 | 18.7 |
47(三部製) | 20 | 308.7 | 866 | 19.1 |
47(軽量三部製) | 20 | 308.5 | 866 | 18.2 |
59 | 25 | 319.6 | 981 | 22.6 |
71 | 30 | 319.6 | 1160 | 26.1 |
71(把手付) | 30 | 319.6 | 1160 | 26.6 |
118 | 50 | 366.2 | 1408 | 36.9 |
118(ペーパライザー用) | 50 | 366.2 | 1379 | 39.9 |
工業用
内容積(L) | ガス量(kg) | 直径(mm) | 高さ(mm) | 総重量(kg) |
---|---|---|---|---|
1000 | 425 | 1124 | 1363 | 465 |
1057.5 | 450 | 964 | 1855 | 354 |
1175 | 500 | 964 | 2020 | 380 |
6000 | 2553 | 1774 | 3395 | 2270 |
7000 | 2978 | 1774 | 3815 | 2525 |
プロパンガスの内圧はどうなっている
LPGボンベ内の圧力を一定に保つことで、プロパンガスを安全に使用することができています。 プロパンガスの充填圧力は、充填する工場の機械性能によりバラつきがありますが、1.8MPa以下となっています。 LPGボンベに充填されるとプロパンガスは、容器サイズに関わらず圧力が一律になります。
LPGボンベ内の蒸気圧とは
LPGボンベ内には気体部分と液体部分があり、内部の圧力は常に一定に保たれています。 蒸気圧とは、LPGボンベ内に密閉されている気体と液体の圧力バランスがとれている気圧を指します。
下記の表のように外気温により蒸気圧は変わってくるので、圧力の数値からプロパンガスの残量を調べることはできません。
外気温(℃) | 蒸気圧(MPa) |
---|---|
0 | 0.37 |
10 | 0.53 |
20 | 0.73 |
30 | 0.97 |
40 | 1.25 |
プロパンガスの圧力
プロパンガスの圧力は容器に入った状態では高圧ですが、家庭で使用する段階では低圧に調整されています。 常温(35℃)という前提でプロパンガスの状態ごとに調整されています。
圧力の強さ | プロパンガスの状態 | 圧力 |
---|---|---|
高圧 | 容器に入っている | 1MPa以上 |
中圧 | 住宅からガスメーターまで | 1MPa以下 |
低圧 | ガスメーターからガス器具 | 1MPa以下 |
LPGボンベには設置基準がある
LPGボンベの設置は、液化石油ガス法により法律で義務付けられています。
プロパンガスを安全に使用できるように、LPGボンベを設置する条件があります。
プロパンガス会社が維持管理する領域と、利用者が注意するべき領域とに区別されています。
通常は、LPGボンベを設置して点検管理までをプロパンガス会社が受け持ちます。
ご家庭内での安全対策や管理は利用者がおこないます。
ここでは、具体的にプロパンガス会社がどのような点に注意して設置しているのかまとめています。
LPGボンベは直射日光を避ける
内圧が高くなり爆発するのを防ぐため、直射日光が当たらない風通しの良い場所に設置します。ご家庭の駐車場などに設置をする場合は、柵やポールなどで車による損傷を防ぐ措置を講じることが必要です。
火気までの距離は充分に取る
容器設置場所が火気を使用する設備から2メート以上あること。
LPGボンベの転落と転倒防止
くさりをしっかりと容器に取り付けることで、腐食や転落、転倒を防止します。くさりは、2重掛けが推奨されています。
転倒しないように傾斜部分に置かないことも大切です。
LPGボンベの備品損傷防止措置
雪が降る地域では、屋根の積雪による雪の落下がバルブなどの備品に損傷を与えないように、設置する場所を工夫します。具体策として収納場所を設ける、雪が落下しても損傷を受けない軒下に設置するなどの対策が取られています。
囲う場合は周囲の環境に注意
LPGボンベの周囲を囲うような場所に設置する場合は、発火のリスクを避けるために、空気の通り道を作る、周囲の材質が不燃性であることに注意をする必要があります。
LPGボンベは腐食する
LPGボンベが腐食することで内圧が上がり爆発のリスクが出てきます。
設置するときは腐食しやすい水回りや軒下などを避けて、水はけのよい場所に設置します。
LPGボンベ内の温度上昇を避ける
LPGボンベの温度が上昇すると内圧が上がり爆発の原因になってきます。
容器は常に40℃以下に保ち、直射日光が当たり続ける南側には設置しないようにします。
ガス漏れ警報機は義務ではない
特に義務付けされていませんが、ガス漏れにすぐに対応できるようにガス漏れ警報機の設置が推奨されています。
LPGボンベの車両積載や運搬する際の注意点
一般自動車でのLPGボンベの移動は、8kg容器2本以下とされています。
これ以上の量を工事車両などで移動する場合は、車上に警戒標を掲示しなければいけません。(例、8kgボンベ3本などを運搬する場合)
警戒標は、見やすい場所に掲示します。それと共に車両用緊急防災工具を備えておく必要があります。積載する場合は必ず縦積みにして、転倒防止のためにロープでしっかりと固定します。
積載後は車内で保管することはできませんし、積載と運搬中は火気厳禁で、タバコも吸ってはいけません。
高圧ガスは、圧縮ガスと液化ガスに分類されます。プロパンガスは液化ガスに分類され、設置付近の温度が40℃以上になると爆発する危険性があるので取扱いには充分注意が必要になってきます。
→プロパンガスの充填期限や保安点検について徹底解説!
まとめ
プロパンガスを日常生活の中でなにげなく利用されていると気づかないかもしれませんが、都市ガスと違い運んだり設置するにはいろいろな決まりがあります。
またプロパンガスは高温で爆発する性質があるので、設置場所にも充分の配慮が必要ですね。
設置した後の対応は、販売会社によりまちまちなようです。 ちゃんと点検管理をしてくれる良心的な会社を選びたいものですね。