三段料金は「電気を沢山使った人」向けの電気料金

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三段料金は「電気を沢山使った人」向けの電気料金

三段料金とは?

三段料金とは

電気料金の三段料金とは、電力を使用する量に応じて、1kWhあたりの単価を三段階に分けたものです。
もともと電力の供給が始まったころは三段料金の制度はありませんでしたが、1970年代のオイルショックをきっかけとして昭和49年6月に、できるだけ電力消費を抑え石油消費量に歯止めをかけようと導入されました。

三段料金は、電力を使えば使うほど電力単価が高くなっていきます。通常の商用サービスがまとめて購入するとお得になるものが多いことを考えると、その逆というのが特徴です。
この三段料金システムは、従量電灯Bや従量電灯Cなどの従量制を採用している電気料金プランに組み込まれています。

ネット上には、「明細書に三段料金って書いてあるけど意味がわからない」「PCなどの電気代も三段料金になるのか?」など、三段料金について疑問がいっぱいです。

こちらのページでしっかり理解していただけると思いますので、最後まで目を通して頂ければと思います。

三段料金の内訳

三段料金

参考:東京電力エナジーパートナー

三段料金では、一段料金、二段料金、三段料金とそれぞれ電力の使用量単価が異なります。
各料金の特徴について、東京電力の電気料金単価を例に挙げてご説明いたします。

第一段階料金

第一段階料金は三段料金のうち比較的割安な単価になっており、これは国が保証している最低限文化的な生活水準、ナショナルミニマムの考え方に乗っ取り電気料金が設定されています。
東京電力の場合ですと、2017年1月時点で19.52円と設定されています。

第二段階料金

第二段階料金は、三段料金の中間に設定されている料金で、日本の一般家庭がふつう消費する電力量を予測して設定した容量に対し、平均的な電気料金単価に該当するものを指しています。
東京電力の場合、第二段階料金は26円です。

第三段階料金

第三段階料金は、三段料金のうち最も割高な料金設定となっており、東京電力でいうと30.02円です。
もともと、電力の消費量を抑え省エネを推進する目的で設定されているので、高めの電気料金になっています。

第一段階の料金と比較すると、1kWhあたり10.5円も差がありますので、5割以上も高くなっていることが分かります。

電気料金の内訳とは?

電気料金の内訳は、以下のようになっています。

電気料金の内訳
引用元:http://www.tepco.co.jp/

電気料金 = 基本料金 + 電力使用量料金 + 燃料費調整額 + 再生可能エネルギー発電促進賦課金 - 口座振替割引額

http://www.tepco.co.jp/

三段料金の電気料金を計算する方法とは?

三段料金の計算方法

三段料金を採用している電気料金プランは、東京電力でいうと従量電灯Bや従量電灯Cがこれにあります。
これから、電気料金の内訳と計算方法について東京電力の従量電灯Bプランを参考にして解説していきます。

基本料金

基本料金とは、契約アンペア数によって決定される電気料金のことです。
契約アンペア数が多ければ多いほど一度に使える電力の量は多くなり、ブレーカーが落ちるなどのトラブルが減りますが、そのぶん料金が高くなります。

従量電灯Bで契約している場合、契約アンペアは10~60Aまで選択できます。
それ以上多い契約容量を希望する場合、従量電灯Cというプランもあります。

計算で後ほど使用いたしますので、東京電力従量電灯Bの契約アンペアごとの基本料金を記載しておきます。

東京電力従量電灯B

アンペア数 基本料金
10A 280.80円
15A 421.20円
20A 561.60円
30A 842.40円
40A 1,123.20円
50A 1,404.00円
60A 1,684.80円

燃料費調整額

燃料費調整額とは、電力会社の発電に必要な燃料費が基準料金よりも高くなったり低くなったりした場合に反映される料金のことです。
燃料費調整単価×使用量(kWh)で算定され、その料金は月ごとに変わります。
料金が高くなった場合は加算されますが、基準よりも低い場合はそのぶんだけ減算されます。

再生可能エネルギー発電促進賦課金

再生可能エネルギー発電促進賦課金は、ひと月あたりの電気使用量によって再生可能エネルギーの買取り費用を需要家に負担してもらう料金のことです。

平成28年4月分の料金までは1.58円/kWhで一律ですが、平成28年5月分~平成29年4月までは2.25円/kWhとなっています。

口座振替割引額

口座振替で電気料金を支払っている場合、一か月あたり54円の割引が適用されます。
その他にも契約するプランによっては、割引が適用されるケースもあります。

電力使用量料金(電力量料金)

電力使用料金は、電力をどれだけ使用したかによって決められる電気料金で従量電灯Bの場合、三段料金構成で先述のように電力を使えば使うほど高くなります。

後ほど計算に使用しますので、まとめて記載しておきます。

東京電力三段料金 電気使用量 電気料金
第一段階料金 最初の120kWhまで 19.52円
第二段階料金 120kWhをこえる量~300kWhまで 26円
第三段階料金 300kWhをこえる量 30.02円

実際に電気料金を計算してみた!

実際に、例として以下の場合の電気料金を計算してみます。

・契約アンペア:30A
・電力使用量:250kWh
・口座振替以外の支払い方法
・このときの燃料費調整単価は1円/kWh(分かりやすい数字にしてあります)

契約アンペアが30Aの場合、基本料金は842.40円、電力使用量250kWhのとき、電力使用量料金は三段料金の二段階目までなので、120kWh×19.52円/kWh+(250-120)×26円/kWh=5,722.4円となります。

これに燃料調整費と再生可能エネルギー発電促進賦課金をあわせて、842.40円+5,722.4円+1円/kWh×250kWh+2.25円/kWh×250kWh=7,128.3円

つまり、実際に請求される電気料金は7,128円と算出できます。

電気料金について知ろう

ビジネスマン

電気料金は毎月必ずかかってくるものですが、その内訳や料金構成の意味を知らずに支払いをしていては、なぜ今月の電気料金が高いのか分からずそのまま支払い続けることになってしまします。

例えば、大家族で家電もたくさんあり、毎月大量に電力を消費するご家庭では、三段料金の従量電灯Bなどのプランは、すぐに三段階目の単価に移行してしまい高い電気料金を払うことになってしまいます。

しかし、電気料金プランや電力会社を比較しご家庭にあわせて変更すれば、大量に電力を使うときにはもっと安く済む電気料金プランや電力会社を選ぶことができます。

損をせずかしこく電気を使うために、現状の電気料金プランやご家庭の電力使用量を知って、きちんとその都度お得なプランや電力の使い方を選ぶことが大切になってきます。